ブログ 理容室で使い分ける消毒用エタノールと次亜塩素酸ナトリウム 理容よもやま話
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最近は、消毒液ネタばかりになってしまっているけど、
こんな時期だから、知っておいた方が良いかな?と思って書きますね!


コロナウイルス感染症拡大で、町から消毒液が消えてなくなり、
ドラッグストアでも棚は空っぽ、ネットでは定価の5~10倍の価格になり、
大和理器でも、理容室の皆様にお届けする消毒液確保に苦労してます。


でもね、こんな機会だから、理容師さんというよりも、
一般の方にも知っておいて欲しいなって思うことがあるんです。


皆さんは、コロナウイルスの騒がれるようになってから、
急に消毒ということに気を配るようになってきていると思うけど、
理容室というのは、昔々から消毒については、ものすごく厳格な世界なんです。


消毒方法は、その時代時代によって見直されてきているけど、
現在は、平成12年9月1日から施工された、
感染症対策の充実強化のため、ウイルスにも消毒効果のある、
新しい消毒方法に改められています。


最初に行うのが器具の洗浄で、家庭用洗剤をつけたスポンジなどで、
器具の表面をこすり、十分な水量で洗浄することとなっています。
十分な水量ってどれくらい?って思うでしょ?
実はこれが決まっていて、10秒間以上、1リットル以上になります。


洗浄が終わったら次は消毒です。
カミソリやハサミなど、血液が付く可能性のある器具の場合は、
煮沸消毒器で沸騰してから2分間以上煮沸するか、
76.9vol%~81.4vol%の消毒用エタノールに10分間以上浸すか、
0.1%次亜塩素酸ナトリウム液に10分間浸すかの3つのどれかを行います。


なんだか理科の授業みたいで分かりにくいですよね(汗)
特に珍しいのがvol%という単位。
これは、エタノール濃度だけど、重さに対しての割合の場合は「wt%」、
容量に対しての割合を「vol%」で表記します。


さてさて、実際の理容室ではどうしているかというと、
煮沸消毒を行っているお店は、かなり少なくなっています。
というのも、煮沸消毒器そのものがほとんど作られてないから(爆)


ということで、理容室で一般的に行わる消毒方法としては、
エタノールか次亜塩素酸ナトリウムの2つを覚えておきましょう!


また、血液が付着する可能性のないものに対する消毒方法は、
また違ってくるし、もっと厳しい消毒基準を設けたりすることもあるけど、
ここでは、消毒の基本だけをお伝えした上で、
エタノールと次亜塩素酸ナトリウムの使い分けなどご紹介します♪


まずは、大和理器でご注文の多いエタノールと次亜塩素酸ナトリウムはこちら。


20200418_1.jpg


20200418_2.jpg


この2つは、どちらか一つを使うだけでも構わないけど、
それぞれにメリット・デメリットがあるので、
出来たら、使い分けしていただくのがおススメになります。


例えば、エタノールはすぐに揮発するから残留しないメリットがあるけど、
その代わり、その場での殺菌効果はあっても持続しにくくなります。
あと、ノロウイルスには効かないので、これは覚えておくと良いです。
それから、理容椅子などに使われている合皮が痛むことがあるので、
なるべくなら、エタノールは避けた方が賢明です。


次に、次亜塩素酸ナトリウムはドアノブや手すりなどを消毒したときも、
エタノールと違って残留するので、殺菌力が持続しやすくなります。
それにノロウイルスにも効果があるのも大きなメリットです。
ただ、金属に吹き付けたあとは、しっかりと拭き取っておかないと、
あとからサビが出やすくなったりするので、これも注意点ですね!


そう考えると、理容椅子や客待ち椅子を消毒するときは、
座面や背もたれ部分は、次亜塩素酸ナトリウムをシュッ!と吹いて消毒、
金属部分はエタノールで拭くというのがよりベターな方法です。


それから、これはあまり知られていないことだけど、
市販の次亜塩素酸ナトリウムの多くが、長期間の保存に向きません。
例えば、3ヵ月置いておくと、効果が40%まで低下してしまいます。
もちろん、上のウィルプロテクトは400日の保管までしっかり安心です♪


あと、手指消毒のことをよく聞かれるのだけど、
エタノールや次亜塩素酸ナトリウムを使うというよりも、
流水と石けんで15秒間以上洗浄するのが基本で、
手が洗えない時は、速乾性摩擦式消毒薬を擦り込んで消毒します。


またまた、分かりにくい言葉が出てきたよ(涙)


速乾性摩擦式消毒薬って何でしょうね?!
簡単に言えば、76.9vol%~81.4vol%濃度エタノールのハンドジェル。
実際の商品名で言うと、手ピカジェルとかです。


手ピカジェルのエタノール濃度は80vol%あるから、
ウイルスに効くという書き方をすることが出来るようになります。
ところが、どこのドラッグストアでも見かけないし、
ネットで検索すると、目が飛び出すような価格になってます(驚)


それに対して消毒とかウイルスに効くと書かれていない、
除菌ハンドジェルと書かれているものがあるけど、
こちらは、エタノール濃度は55vol%~70vol%くらいで、
その代わり、保湿剤などが多く入るので、サラッとしっとりです♪


ま、ざっくりと消毒についてのご紹介をさせていただきました。
出来ることなら、76.9vol%~81.4vol%濃度エタノールと、
3ヵ月保管しても効果の落ちない、次亜塩素酸ナトリウムがあると良いかな?


と言っても、今は予約しないと手に入らないことが多いので、
詳しくは、理容ディーラーの営業さんに問い合わせてみてくださいね!


ちなみに、2020年4月18日現在の情報ですが、
ウィルプロテクト4リットルなら大和理器に在庫ありです(笑)



理美容総合商社 (株)大和理器 東京都杉並区高円寺北2-29-8 03-3338-5214(代)
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